設立趣旨書

1 趣旨

20世紀は「早く、安く、便利に、効率よく」スピードを追求して発展した世紀でした。
ファストフードが全盛となり、人の移動も高速化、学歴社会化も進みました。
スローなこと、ゆっくりとしたことにはマイナスのイメージがつきまとっています。
その中で大量生産、大量消費が実現、一定の経済的な繁栄を遂げましたが、人間性の喪失、環境の破壊、地域の衰退などの問題が新たに生まれました。その反省 から、21世紀は人間性の回復、地域の価値の再評価などをめざして「ゆっくり、ゆったり、心ゆたかに」というスローライフをキーワードにしてゆこうとする 動きが見られます。
掛川市では、昭和54年4月全国に先駆けて生涯学習都市宣言をして以来、生涯学習によるまちづくり・人づくりをすすめ、その帰依として平成14年2月スローライフシティーが位置づけられました。
11月には、一ヶ月にわたり「スローライフin掛川」を開催、スローライフの理念を広く、市民や世の中に問いかけ、市民はスローの価値をもう一度見つめ直す機会を得ました。
その結果、ファストフードの対極には時間をかけてじっくり作られる和食文化・スローフードがあり、若い時には良い成績を求める人生の対極には一生涯かけて じっくり勉強を続けるという生涯学習・スローエデュケーションの哲学がありました。また、急ぐ車からちょっとだけ降りて、ゆっくり歩いてみたり、自転車で 走り、まちの中を再発見するなど健康でいられるスローペースがありました。
決して、ファストであることを否定するのではなく、無価値と思いこんでいたスローであることの価値をもう一度見直してみると、インスタントでなく、時間をかけなくてはできない読書、農業、芸術、そして子育てなど多くのことの価値が見えてきたように思われるのです。
この生き方、暮らし方の理念をさらに探求し、活動の継続、定着に向けて特定非営利活動法人を設立し、市民有志の自立した活動として展開していこうとするものです。

平成16年7月28日

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